※この記事には映画のネタバレが含まれます。これから映画を観る予定の方はご注意ください。
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目次
正直、あまり期待せずに観に行きました
2026年公開の実写映画『ストリートファイター』を観てきました。
私はストリートファイターシリーズを『ストリートファイターII』の頃から遊んでいて、現在の『ストリートファイター6』までプレイしています。
そのため、今回の映画もゲームファンとしてかなり気になっていました。スト6の大会でもCMがバンバン流れていました。
ただ、同時に「ゲーム原作の実写映画だし、大丈夫かな……」という気持ちもありました。過去の『ストリートファイター』実写映画を考えると、どうしても期待値は低めです。
ところが、実際に観てみると――
思っていたより、かなり楽しめました。
もちろん「誰にでもおすすめできる傑作」というほどではありません。しかし、少なくとも「ストリートファイターの実写映画だから、どうせひどいだろう」と思っている人なら、意外と楽しめる作品なのではないかと思います。
一番良かったのは、やっぱりファイトシーン

今回の映画で特に良かったのが、格闘シーンです。ストリートファイターという作品なので、やはりここが一番重要だと思います。
実際に観てみるとキャラクター同士が戦うシーンはかなり楽しめました。「ゲームの技を実写でやると、こういう感じになるのか」という面白さもありますし、単純にアクション映画として見ても見応えがあります。
ゲームをプレイしている人なら、「この技知ってる!」「このキャラクターなら、この動きだよな」といった楽しみ方もできると思います。
俳優さん達の肉体も凄まじく、WWEのスーパースターやボディービルダーの方が出ていて流石の筋肉を見せてくれました。春麗の方がこの映画のために下半身の筋トレで太ももを太くしたという記事も見ました。
とにかく俳優さん達のこの映画に賭ける熱量は、あまり調べていなくても映画を見れば伝わってくるほどでした。
一方で少し気になったのは、ファイトシーンの導入が少し雑に感じる場面があることです。ファイトシーン自体は素晴らしいのですが、「そこ冷静に話し合えばいいよね」と思ってしまう場面もあり、シーンに入るための理由がもう少ししっかりあったらな、という印象を受けるところもありました。
とはいえ、ストリートファイターの映画を観に来ている以上、戦闘シーンが多いこと自体は良かったです。
ストーリーは思っていたよりちゃんとしている
ストーリーについても、想像していたよりはしっかりしていました。もちろん、いわゆる超大作映画と比べれば粗さはあります。
ただ、過去のゲーム原作映画などを想像していた私としては、「あれ? 普通に話として成立しているな」というのが正直な感想でした。
特にリュウとケンを中心とした関係性は映画として分かりやすく描かれています。ゲームを知らない人でも大筋は理解できるように作られていると思います。
ただし、ワールドウォリアーの大会は少しもったいない

個人的に少し残念だったのが、ストリートファイターの大会そのものです。
せっかく多くのキャラクターが登場するので「もっと1対1の試合をたくさん見たかった」というのが正直なところです。
大会が「単なる格闘大会ではなく別の目的のために利用されている」という展開自体は私はそれほど気になりませんでした。格闘ゲームのストーリーでは大会を開いた主催者に別の目的があり、裏で何かが動いているという展開は珍しくないからです。
ただ、せっかくストリートファイターの映画なのだから「このキャラクターとこのキャラクターが戦ったらどうなる?」という部分を、もう少しじっくり見せても良かったと思います。ガイル・ザインギエフは特にそう思いました。
ファイトシーンはあるのですが場外乱闘シーンが多く1対1は思ったより少なかったからです。
実写とアニメのハイブリッド

面白かったのが、ところどころでアニメーション的な演出が入ることです。
ただ、その場面を観ていて「これ、全部アニメーション映画でも良かったんじゃないか?」と思ってしまいました。
実写ならではの肉体的なアクションも魅力ですが、ストリートファイターのように必殺技や超人的な動きが多い作品の場合、アニメーションとの相性もかなり良いと思います。
実写はダメではなくむしろ高評価なのですが、飛び道具系はあまり使用されず普通の波動拳がかなり強力な必殺技として描かれていました。
現実ではありえない派手な必殺技(ソニック・ヨガファイア・気功拳・真空波動拳)にがっつり寄せてアニメで描くとどのくらい面白くなるんだろうと思ってしまう部分もありました。
子供向けなのかな?と思うギャグも

↑ちょっと春麗をエロい目で見てる、というか「春麗萌え」みたいな感じ
ところどころに性的なジョークや、少し下品なギャグも入っています。
個人的には、そこまで面白いとは感じませんでした。B級に振り切ってるなら全部滑ってて逆に面白い、になるのですが、ファイトシーンは本当に良いので「そっちをちゃんと見せてよ!」という気持ちの方が上回ってきます。
リュウ対ケンでケンが靴下で滑ってすっころぶシーンとか、リュウ対本田はサウナで戦うのですが本田のタオルが取れて股間を隠すシーンとか、ファイトシーンでスカしてくるというか笑いを入れてくるのはちょっと邪魔に感じてしまいました。
ただ映画館では子供たちが結構笑っていたので、「これはこれで子供向けの笑いとして入れているのかな」とも思いました。
しかし子供ウケを考えた場合は、セクシーシーンやしょうもない下ネタはいらないと思いました。大人でもそのシーンいるのか?と思ってしまう感じです。
作品全体として見ると、こういったギャグが好きかどうかで評価が分かれる部分かもしれません。
リュウの殺意の波動については、ちょっと消化不良
もう一つ気になったのが、リュウの殺意の波動です。
ストリートファイターのファンとしては「リュウが殺意の波動をどう克服するのか?」という部分はかなり重要だと思います。
個人的には、リュウ自身が力を制御できるようになり、例えば電刃波動拳などを絡めて自分の力で豪鬼を倒す、といった展開を期待していました。
ところが、今回の映画ではリュウが殺意に飲み込まれたまま豪鬼を倒しました。これには驚きましたが、後述する続編を作りたいので電刃は今作では出さなかったのかなと思いました。
豪鬼の登場シーンはスト2ではなくカプエス2っぽい
回想シーンではリュウは初代ストリートファイター(ラスボスがサガット)がアニメで描かれ、サガットを倒した時に殺意の兆候が表れます。その後豪鬼は殺意リュウを目覚めさせたいという理由でゲームと同じく師匠剛拳を殺します。(スト4で実際には仮死状態だったとされたが)
殺意に飲まれないようにリュウは格闘家を辞めラーメンの道に進みますが、春麗などの説得でベガの開催する格闘大会に出場します。
そこから映画のラストシーンまで時は進み豪鬼が登場しまが、この展開を観たとき思わず「これ、カプコンVS.SNK2の隠しボスみたいだな」と思いました。
ジョーという不戦勝だけで勝ち進んだ男が優勝したと思ったら、最後にさらにヤバそうなキャラクターが出てくる。ゲーム「カプエス2」も条件を満たして優勝をすると大阪城に豪鬼やルガールが出てくる。かなり「分かる」展開です。
ただ、スト2の映画としては少し消化不良でした。
個人的には
「豪鬼がベガを瞬獄殺で倒す」
↓
「リュウと豪鬼が戦い、その中で殺意の波動を電刃で乗り越える」
↓
「電刃波動拳などで豪鬼を倒してハッピーエンド」
という流れの方が、ストリートファイター2的で好きだったかもしれません。
今回のベガを完全に退場させなかったのは、これまた続編を考えているからなのではないか、と感じました。
そして「What’s Up?」は一体何だったのか?

今回の映画で個人的にかなり印象に残ったのが、4 Non Blondesの「What’s Up?」です。この曲が映画の中で登場します。
「なんでリュウがこの曲をそんなに気に入ってるの?」というのが正直な疑問でした。
確かに映画が進むにつれて、この曲にはちゃんと意味があることが分かってきます。リュウとケンにとって思い出の曲として描かれています。
ラストシーンでは、リュウを救うための要素になっています。この映画における「What’s Up?」は単なるBGMではなく、リュウとケンの友情そのものを象徴するものとして使われています。
これはテーマとしては面白いと思いました。リュウが殺意の波動に飲み込まれていく中で、最終的に彼を引き戻すのが「電刃」ではなく、ケンとの友情や思い出だったという要素です。
ただ、問題はそこに至るまでの説明が少し弱いんですよね、なので(何でケンはその曲を口ずさんでリュウを介抱してるんだ?)と思ってしまいました。
「この曲が2人にとって特別な曲なんだ」ということをもっと序盤から深堀りしてくれていれば、終盤のシーンでもう少し感動出来たと思います。
ラストは「続編ありき」
今回一番引っかかったのは、やはりここです。
映画単体として見ると「これで終わりなの?」という感じが残ります。
豪鬼の登場でベガではなくジョーがやられるのもそうですし、リュウの殺意の波動についても完全に決着したようには見えません。
スト2からするとベガより豪鬼の方が格上感があるのに、ラストは殺意リュウにKOされた豪鬼がベガに拘束されてシャドルーの研究施設か何かに運ばれていくシーンはちょっとシュールだと思いました。
しかもそこで映画は終わりますので、そもそも続編を作ることを想定した構成でした。それ自体は悪いことではないのですが、1本の映画として観た場合には「今回の映画でちゃんと一区切りはつけてほしかった」という気持ちになってしまいます。
最後にリュウたちが乗った車が走っていくシーンは、個人的には結構好きでした。ゲームでは一人で歩いていく後ろ姿ですが、今回の映画ではケンなどとの友情がテーマですので、キャラクターたちのこれからを想像させる終わり方としては悪くないと思います。
総評:期待値を下げて観たら、思ったより良かった

総合的に言えば、今回の『ストリートファイター』実写映画は「思ったより良かった」というのが一番しっくりくる感想です。
最初から「超大作のハリウッド映画」を期待すると、気になる部分はかなりあると思います。
一方で「ストリートファイターの実写映画だし、多少のことは気にしない」くらいの気持ちで観ると、ファイトシーンやゲームネタを含めてかなり楽しめる作品だと思います。
特に格闘シーンは、ゲームファンとして観ていて楽しかったです。
ただし
- 大会なのに1対1の試合がもっと見たかった
- 「What’s Up?」の意味づけが少し弱い
- リュウの殺意の波動が完全には消化されていない
- 最初から続編ありき
- アニメーションで見たくなる場面がある
といったところは気になりました。
個人的な評価としては「B+~A級映画」でしょうか。「めちゃくちゃ面白い傑作!」とまでは言いません。
でも「ストリートファイターの映画としては、普通にアリ」という評価です。
何より、観る前はかなり期待値を下げていたので「思っていたより全然良かったじゃん」というのが一番大きかったですね。
ストリートファイターシリーズが好きな方なら、一度観てみてもいい作品だと思います。
















